増刊号 図説「胃と腸」所見用語集2017
画像所見〔咽喉頭・食道〕
epidermization
剛﨑 有加
1
,
門馬 久美子
1
,
堀口 慎一郎
2
1がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科
2がん・感染症センター都立駒込病院病理科
キーワード:
epidermization
,
類表皮化
Keyword:
epidermization
,
類表皮化
pp.558
発行日 2017年5月24日
Published Date 2017/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200909
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定義
本来,食道上皮は非角化重層扁平上皮から成る.食道epidermization(類表皮化)は,組織学的に扁平上皮表面に厚い角化層を有するのが特徴であり,皮膚の表皮に類似していることから,このように呼ばれている.しかし,食道epidermizationに関する報告例は少なく,慢性炎症がepidermizationの形成に関与している可能性も示唆されているが,真の成因や発生頻度,自然経過などについては不明である.内視鏡的には“鱗状”あるいは“毛羽立ちを有する”白色の角化上皮が,あたかも食道粘膜に付着しているかのように観察され,ヨード染色では不染を示す1)2).境界明瞭な白色隆起を示す病変として,parakeratosis(錯角化)やhyperkeratosis(過角化)なども挙げられるが,内視鏡所見のみで鑑別することは難しく,epidermizationの診断には病理組織所見が必要である.epidermizationの組織所見(Fig.4)の特徴は,重層扁平上皮の表層に厚い角化層を有し,その直下にはケラトヒアリン顆粒を有する顆粒層を伴う点である.
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