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編集後記
長浜 隆司
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1千葉徳洲会病院消化器内科内視鏡センター
pp.1099
発行日 2015年7月25日
Published Date 2015/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200377
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今回「胃がん検診に未来はあるのか」との少々過激なテーマでの特集を細川治,小野裕之,長浜隆司の3人で企画した.
2015年3月に「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン2014年度版」が発行されたが当初のドラフト案では内視鏡による胃がん検診は対策型として推奨されなかった.その後,内視鏡検診でも死亡率減少効果のエビデンスが得られてきたことから最終版では内視鏡検診が対策型として新たに推奨された.企画当初はガイドラインで内視鏡検診が対策型,任意型ともに推奨されなかったため,臨床の先生方からは“地域によっては内視鏡検診にほぼ移行し発見率が高く早期胃癌比率の高い内視鏡検診がなぜ推奨されないのか”といった疑問が寄せられたが,そのあたりの疑問を払拭すべくガイドライン作成委員会委員長でもある祖父江はガイドラインの考え方について概説した.ガイドラインでは系統的レビューによる利益と不利益に基づいて決定されるもので,この際対象とする検診が普及しているか否か,また感度の高い検診方法が必ずしも選ばれるわけではなく,推奨の内容が普及の程度と大きく乖離し,受け入れがたい場合もありえ,そのような場合にこそガイドラインが本来果たすべき役割があると考えられると述べた.
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