今月の主題 非腫瘍性大腸ポリープのすべて
グラフ
inverted hyperplastic polyp
松下 弘雄
1
1健康保険人吉総合病院外科
pp.1204-1205
発行日 2013年7月25日
Published Date 2013/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113900
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概念・病態
IHP(inverted hyperplastic polyp)とは,粘膜下層側に発育進展するhyperplastic polypの特殊型として1985年にSobin1)により命名,報告された.病理学的特徴は鋸歯像構造の呈する過形成性ポリープの腺管が粘膜筋板を押し下げるように粘膜下層に向かって増殖している像や標本によっては粘膜下層に過形成性ポリープの腺管構造を認めるとされている.
IHPの報告例は少なく,本邦報告例も医学中央雑誌で検索した限りでは論文は数編あるのみで,発生頻度など,疫学的特徴を述べるのは困難である.Sobin1)は女性で右側結腸に多く,すべて無茎性または平坦であり,有茎性ポリープの形態ではなかったと報告した.富樫ら2)の3例報告では男性2例,女性1例であり,すべて右側結腸で無茎性であった.一方Rhondaら3)は男女差はなくS状結腸,直腸に多い,山際ら4)も左側結腸から直腸に多いとし,ほとんどが有茎性であったと報告した.
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