特集 図説 胃と腸用語集2012
病理
LEL(lymphoepithelial lesion)
二村 聡
1
1福岡大学医学部病理学
キーワード:
リンパ上皮病変
,
リンパ上皮病巣
Keyword:
リンパ上皮病変
,
リンパ上皮病巣
pp.838
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113409
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LEL(lymphoepithelial lesion)は,リンパ上皮病変(またはリンパ上皮病巣)と邦訳され,現在,“腫瘍性B細胞の上皮組織内浸潤巣”と病理組織学的に定義されている(Fig. 1).したがって,LELはB細胞性リンパ腫に特化した術語であり,T細胞性リンパ腫やnatural killer細胞性リンパ腫の上皮組織内浸潤巣には用いない.
歴史的には,本術語は唾液腺疾患であるMikulicz病の組織学的所見としてGodwin(病理医,1952年)によって記述されたbenign LELに由来する1).そして,1980年以降,粘膜関連リンパ組織(mucosa-associated lymphoid tissue;MALT)リンパ腫の概念を提唱したIsaacson(病理医)らによって,benignを落としたLELが支配的に用いられるようになり現在に至る2)~4).
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