特集 図説 胃と腸用語集2012
疾患〔全消化管〕
膠原病の消化管病変(gastrointestinal involvement of collagen diseases)
梅野 淳嗣
1
,
松本 主之
1
1九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
キーワード:
SLE
,
systemic lupus erythematosus
,
強皮症
Keyword:
SLE
,
systemic lupus erythematosus
,
強皮症
pp.818
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113390
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狭義の膠原病の消化管病変とは,膠原病自体に起因する消化管病変のことである.消化管病変を呈する代表的な膠原病として,全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus;SLE),強皮症〔全身性硬化症(scleroderma/systemic sclerosis;SSc)〕,結節性多発動脈炎(polyarteritis nodosa;PN),関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)が挙げられる.
SLEの消化管病変は,血管炎に起因するループス腸炎,蛋白漏出性腸症に大別される.ループス腸炎は,小腸の急性浮腫性病変(虚血性腸炎型)と大腸に好発する多発潰瘍型に細分される1).虚血性腸炎型は漿膜側の血管炎による虚血と腹膜炎が主たる病態であり,小腸の皺襞腫大,管腔の狭小化および拇指圧痕像が広範囲にわたってみられる(Fig. 1a).
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