特集 図説 胃と腸用語集2012
疾患〔全消化管〕
アミロイドーシス(amyloidosis)
浅野 光一
1
,
松本 主之
1
1九州大学大学院医学研究院病態機能内科学
pp.816-817
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113389
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アミロイドーシスとは,不溶性のアミロイド蛋白が全身または局所組織に沈着し,臓器障害を来す疾患である.臨床像はアミロイド蛋白の種類や沈着部位により異なる.消化管で頻度が高いのは,免疫グロブリンを前駆体としたAL型アミロイドと感染や炎症で惹起される急性期蛋白のSAA(serum amyloid A protein)を前駆体としたAA型であり,後者は続発性アミロイドーシスと呼ばれる.一方,前者は基礎疾患のない原発性アミロイドーシスと多発性骨髄腫に多い.そのほか,慢性腎不全関連のA2M型,およびトランスサイレチン由来のATTR型が沈着することもある1).
消化管の好発部位は十二指腸と小腸である.AL型アミロイド蛋白は血管壁を中心とした粘膜下層と固有筋層への塊状の沈着が特徴であり,X線・内視鏡検査では粘膜下腫瘤様隆起と皺襞肥厚像として観察される(Fig. 1).固有筋層への沈着が高度になると消化管運動機能障害を来し,慢性偽性腸閉塞を呈する.
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