特集 図説 胃と腸用語集2012
疾患〔腸〕
大腸低分化腺癌(poorly differentiated adenocarcinoma in colon and rectum)
吉川 健二郎
1
,
山野 泰穂
1
1秋田赤十字病院消化器病センター
pp.766
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113346
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大腸の低分化腺癌は比較的まれな組織型で,その頻度に関しては多数の報告をまとめると全大腸癌の1.9~7.7%とされ1),「大腸癌取扱い規約」では充実型(por 1)と非充実型(por 2)に分類している2).その特徴として,局在は右側結腸に多い傾向があり,進行癌で見つかることが多く,早期癌の報告はまれである.また低分化腺癌では腫瘍径が小さいうちから粘膜下層以深に浸潤し,高率にリンパ管侵襲,静脈侵襲,リンパ節転移を来すと考えられている.
進行癌の肉眼型は,菅井ら3)の報告では2型が45.3%と最も多いが,高分化腺癌と比べて3型(21.4%),4型(9.5%)の頻度が高いとしている.
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