特集 図説 胃と腸用語集2012
画像所見〔腸〕
白斑(white spots)
山野 泰穂
1
1秋田赤十字病院消化器病センター
キーワード:
白点輪
,
foamy cell
Keyword:
白点輪
,
foamy cell
pp.708
発行日 2012年5月24日
Published Date 2012/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113297
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白斑は白点輪とも言われ,大腸腫瘍の周囲正常粘膜に認められる白色点状の所見である(Fig. 1, 2).その部分の病理所見としてはfoamy cellの集合とされ,SM癌の指標であると報告された経緯があった1)2).
しかしその後の検討で,SM癌以外にも認められるとの報告もあり,実臨床的には腺腫性病変においてもしばしば経験する所見である.工藤3)は大腸上皮性腫瘍4,363病変における白斑の出現に関する検討で,腺腫2.5%,早期癌13.2%,進行癌61.8%としており,癌の進行度により頻度が高くなるとしている.また井上ら4)も同様な報告をしており,腺腫であっても高異型度腺腫のほうが,出現頻度が高い傾向があることを指摘している.加えて,肉眼形態別では隆起型により高く,腫瘍径が大きいほどより高い傾向を示すとした.一方,工藤らはLST(laterally spreading tumor)では腺腫,早期癌とも同等の白斑の出現率であったと報告しているが,LSTではある程度腫瘍径が大きい病変も含まれており,LST顆粒型と非顆粒型でも異なることが示唆される.以上のように白斑の出現に関してある程度の傾向があることが示されているが,決して癌に特異的な所見ではないことも理解する必要がある.
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