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書評「小腸内視鏡所見から診断へのアプローチ」
田中 信治
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1広島大学内視鏡診療科
pp.336
発行日 2012年3月25日
Published Date 2012/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113123
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松井敏幸,松本主之,青柳邦彦先生の編集による『小腸内視鏡所見から診断へのアプローチ』という著書が医学書院から2011年10月に発刊された.八尾恒良先生,飯田三雄先生による『小腸疾患の臨床』(2004年発刊,医学書院)に続く,形態学のリーダーシップを取る九州大学/福岡大学グループの小腸疾患診断学のバイブル第2弾である.『小腸疾患の臨床』が発刊されたとき,なかなか経験することが少ない小腸疾患を美しい画像で系統的にまとめた教科書として強いインパクトがあったが,本書は,また違った意味で,非常に個性のある素晴らしいテキストに仕上がっている.
近年,バルーン内視鏡やカプセル内視鏡が広く普及・一般化して以来,多くの小腸病変が診断されるようになってきたが,所見はあるものの意外と診断に至らない症例が多く,小腸病変の病態の奥深さを感じる今日このごろである.一方,最近X線造影検査が不得手な若い先生が増えて小腸内視鏡検査ばかりに走り,小腸X線画像診断がやや軽視されている傾向がある.もっとも,これは小腸に限らず全消化管共通の極めて深刻な課題であるが…….
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