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書評「消化器内視鏡2.大腸・小腸」
望月 福治
1
1仙台市医療センター
pp.672
発行日 1987年6月25日
Published Date 1987/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112893
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本書は消化器内視鏡テキスト全3巻のシリーズの第2巻に当たり,大腸の部は“大腸の局所解剖”,“検査法および治療法”,“特殊な内視鏡検査”および“診断のすすめ方”と4章に分けて記述されている.内容は具体的でわかりやすい.例えば“局所解剖”の章では,大腸ファイバースコープの挿入が難しいのはどの部位であるのか.そこは解剖学的にどんな構造になっているのか.したがってどのように挿入すればよいのかというように,理論的に実地に即して説明されている.また大腸の可動性に富む部位では,挿入にあたり腸管に無理な伸展を生じ,患者に不快感やとう痛を起こしやすいなどという気配りの行き届いた記述もある.いわば内視鏡的解剖学とも言うべき内容である.
“検査法および治療法”の章では,検査のすすめ方の基本としての挿入法と検査法はもちろん,生検については,炎症性疾患と潰瘍性疾患,腫瘍性疾患の特徴を取り上げながら,どの部位から採取すべきか,実際的な解説がなされているばかりか,生検標本の取り扱い方と,介助者とのコンビネーションの問題も触れられている.
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