--------------------
海外文献紹介「ヘモカルト便潜血テストによる大腸癌スクリーニング可能性の評価」
吉井 由利
1
1愛知県がんセンター消化器内科
pp.548
発行日 1987年5月25日
Published Date 1987/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112838
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
Evaluation of possibilities for mass screening for colorectal cancer with hemoccult fecal blood test: Carlsson U, et al (Dis Coln Rectum 29: 553-557, 1986)
スウェーデンは他国に比し大腸癌の多発国で,とりわけ南スウェーデンのMalmö市(人口約23万5千人)は大腸癌最多地域の1つである.そこで,便潜血テストでスクリーニングされた大腸癌の死亡率低下を証明するためのパイロット研究が,Malmö市の53歳,56歳,60歳の男性4,495人を対象としてなされた.食事制限下にヘモカルトⅡテスト3日法が郵送方式で行われた.テスト陽性者は,診察,硬性S状結腸鏡,大腸二重造影法で精査され,必要に応じて大腸ファイバー,上部消化管検査がなされた.ヘモカルトのスクリーニング受検者は2,422人(テスト回収率54%)で,テスト陽性者は270人(11%)であった.そのうち254人が精査を受け,1個の癌(Dukes A)と7個の粘膜内癌(carcinoma in situ)を含む89個の腺腫が56人に発見され,ヘモカルト陽性の場合の大腸腫瘍適中率は21%であった.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.