検査じょうほう室 一般検査 一般検査のミステリー
尿を着色する薬剤
中村 仁
1
1東北薬科大学臨床薬剤学
pp.782-784
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100979
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はじめに
尿にはウロクロム,ウロビリン,ウロエリスリンなどが含まれ,通常は透明で淡黄色~濃黄茶色を呈している.この尿の色調が変化した場合,病態変化の指標として重要な情報となるため,尿外観を観察することは極めて大切である.主な着色尿の原因を表1に示すが,異常着色尿を見た場合にはその原因を調べる必要がある.
一方,健常人の場合でも摂取した食品や医薬品の影響,尿の濃縮により尿の色調が変化することがある.特に医薬品には,その服用により病態変化とまぎらわしい尿の異常色調を引き起こすものがいくつかあり注意が必要である.また,この薬剤性の尿色調変化は尿定性検査に干渉し,判断の誤りや,偽陽性,偽陰性の原因にもなる1)ため,これらについて理解をしておく必要がある.
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