胃と腸ノート
早期胃癌の内視鏡的着色法
鈴木 茂
1
,
鈴木 博孝
1
,
竹本 忠良
1
1東京女子医科大学消化器病センター
pp.87
発行日 1973年1月25日
Published Date 1973/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108351
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従来より一般に広く利用されている色素撒布法は,胃粘膜病変をより客観的に観察しようとするものであった.すなわち,胃粘膜の凹凸不整を強調して病変部のより一層の明瞭化をはかるものであった.しかし,この方法も,この観点のみから利用されていたのでは自と限界があったように思う.
私共はこの方法を一歩前進させて,病変部のみに色素が着色するよう前処置を工夫し好結果を得ている.この方法は井田ら1)が発表したと同様に,内視鏡施行前に酵素剤と色素を胃内に注入しておくものであるが,異なる点は酵素剤を服用させてから15分後に鼻腔ゾンデで胃液を含めたこの液を十分に排除し,色素(主として0.5%メチレンブルー液10cc)を注入し,この後は1時間半から2時間放置し,その後に通常の内視鏡検査を施行するようにしたことである.
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