今月の主題 胃潰瘍〔3〕
綜説
胃潰瘍の疫学
高橋 淳
1
,
横山 功
1
,
唐沢 徹
1
,
池端 昭夫
1
,
有賀 徹
2
1日本大学医学部有賀内科
2日本大学医学部公衆衛生
pp.533-541
発行日 1966年9月25日
Published Date 1966/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112069
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Ⅰ.はじめに
疾患を集団の立場で考察することが疫学であるとされている.集団の立場で考えるということは,Host(宿主)とAgent(病因)とEnvironment(環境)との関係を分析することである.だから胃潰瘍の疫学では先ず第一に潰瘍のEtiologyに対する何らかのアポーチをしなければならないことになる.ところが臨床的に確認された潰瘍が,何時,いかにしてその宿主に発生したかをわれわれは知らない.この潰瘍の発生状況を確認する資料が臨床的にも極めて乏しいとすれば,胃潰瘍のAgentに対する疫学的考察は現在のところなかなかむずかしいことになる.そこで胃癌との関連性と,潰瘍治療を含めた社会医学的な考え方について2,3考察してみた.
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