今月の主題 ポリープ〔1〕
綜説
胃ポリープの臨床診断と限界
田中 弘道
1
,
福本 四郎
1
,
田中 三雄
1
,
沖田 瑛一
1
,
八杉 伸輔
1
,
安達 秀雄
2
1鳥取大学医学部石原内科
2鳥取大学医学部綾部外科
pp.655-660
発行日 1966年10月25日
Published Date 1966/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112041
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胃カメラによって普及された内視鏡検査が胃壁に存在する隆起の診断を容易にし,X線診断技術の進歩とあいまって,いわゆる胃ポリープの突出度,大きさの種々異なるものが日常の臨床診断に数多く取りあげられるようになって来た.したがって,従来からの,慣例的な,胃腔に突出した形成物のうちで癌でないものと言う意味での“胃ポリープ”と診断された症例の中には,病理組織学的にかなりの多様性をもつ分布図が生じたのは当然のことであった.
しかし,病理組織学的には上皮性のポリープのみを“胃ポリープ”とよぶ傾向が強いので,臨床診断にたずさわるものも一日も早く境界症例を整理して病理組織診断に近づかねばなるまい.
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