今月の主題 ポリープ〔2〕
綜説
胃ポリープの診断能
坪井 晟
1
,
風戸 計民
1
,
倉俣 英夫
1
,
幡谷 健
1
,
宇南山 史朗
1
1神奈川県立成人病センター放射線科
pp.793-800
発行日 1966年11月25日
Published Date 1966/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112017
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Ⅰ.緒言
第3回日本胃集団検診学会秋季大会および第3回日本内視鏡学会秋季大会の合同シンポジウムで,著者らは「胃ポリープについて,発見頻度と診断」というテーマを与えられ,さて,胃ポリープの定義をいかにしたらよいか,という問題に頭を悩ましたものです.胃ポリープの定義,病理,歴史などについては,村上1),中村2)3),参木4),らの詳細な研究報告がございます.しかし,実際に臨床の外来でポリープあるいはポリープ様隆起を診断,記載,分類する際には何か割り切れないものがありました.X線検査とか,内視鏡検査で発見された胃ポリープあるいはポリープ様隆起をどこまでをいわゆる胃ポリープとして取扱うか,どういうものをいわゆる胃ポリープから除外するかという問題はむずかしいものです.またこれによって,本症の発見頻度,診断能も異ってくるわけです.ところが著者らと丁度同じシンポジウムの席で,山田らの胃隆起性病変という表現の提案に接し5)これが臨床的に大変便利な表現,分類法であるのに感心した次第です.その後本誌の1巻2号で再び同氏らの胃隆起性病変の報告6)を読みさらにこの感を深くしたものです.ここでは山田らの胃隆起性病変に従って「いわゆる胃ポリープ」を拡大解釈して話をすすめてまいります.
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