今月の主題 ポリープ〔1〕
綜説
胃ポリープの考え方
中村 卓次
1
1養育院付属病院外科
pp.639-652
発行日 1966年10月25日
Published Date 1966/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112040
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Ⅰ.緒言
最近胃ポリープに対する関心が急速に高まっており,昨年札幌で開催された日本消化器病学会秋季大会でシンポジウムに取り上げられたかと思うと,今年度の日本内視鏡学会総会においても,再び夜の研究討議会の議題として取り上げられ活発な討論が行なわれた.このような現象は最近の診断技術の進歩に伴なって胃ポリープ症例が増加していることにもよるが,もっと大きな原因は,胃ポリープの概念がいまだに明確にされていないことによると考えられる.
この疾患名は最近では非常にpopularなものになっているにかかわらず,厳密にこれの定義を定め,その疾患名の下に包含すべき病変の範囲を規定することはそれほど容易ではない.また各研究者の研究材料の間に本質的なずれがあるのでますます意見の統一を欠く結果となる.
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