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編集後記
高田 洋
pp.1482
発行日 1971年10月25日
Published Date 1971/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111551
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近時,胃のX線検査は体系化され,その診断も微に入り細をきわめ,後壁あるいは彎在性病変に関してはAreaのオーダーに於て論じられるまでの進歩をみた.その中で,こと前壁病変に関する限りX線診断に対する考え方も,また検査方法も未だ取り残された感が深い.早期胃癌の胃内占居部位についての諸家の報告をみても前壁に局在する%は後壁のそれに比して極端に低いとは言えない.吾々の経験からしても前壁に局在する病変が数多くの体位での撮影フィルムの中で彎側に近くなり辺縁像に異常として現われたり,後壁の二重造影像に輪廓像として表現されたり,あるいは注意深い圧迫撮影で発見されたりしている場合が多い.しかし,圧迫法を除けば積極的に前壁病変を診断しようという立場とはいえない.多分に偶然性が介在しているのである.
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