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編集後記
高田 洋
pp.532
発行日 1973年4月25日
Published Date 1973/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108463
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症例・研究特集号を手にする時,私はいつも学会の地方会に出席する時に似た何かしらわくわくするような期待感をもってその頁を繰るのです.私共の短い生涯を通じての臨床経験でも,あるいは遭遇しないかも知れない稀な症例や,ささやかではあるが実際の診療に則した新しい工夫やアイデアをその数々の報告の中に見出すことがあるからです.またある場合には,あの時のあの症例は,あるいはこの疾病であったのではなかろうかと新たな反省の資を与えてくれるからです.
経験を基礎にして組立てられている臨床医学の場では,他人の経験を自分の知識の資として絶えず問題意識をもつことによって我々は次の誤診から救われることを銘記すべきだと思います.本号にも数多くの貴重な症例が掲載されましたが,どれをとってみても教唆に富む報告ばかりです.読者各位の血となり肉となる事を念じます.
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