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初心者講座 胃X線検査のポイント―私の検査法
10.十二指腸へのバリウムの流出を防ぐ工夫
Radiological Examination of the Stomach: My Routine Practice
横山 善文
1
Yoshifumi Yokoyama
1
1名古屋市立大学第1内科
pp.1242-1243
発行日 1990年10月25日
Published Date 1990/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111502
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通常行われている上部消化管ルーチンX線検査では食道,胃,十二指腸を診断の対象領域としているため,本講座のテーマである十二指腸へのバリウムの流出を防いだ造影を意識的に行うことは少ない.確かに,十二指腸~空腸へのバリウムの流出による胃との重なりが読影の盲点になるというのも困りものであるが,かといって十二指腸が全く造影されていないのも上部消化管ルーチン検査としては片手落ちである.また,初心者では十二指腸へのバリウムの流出を極力少なくするよう指示して検査を行わせると,バリウムの流出を恐れるあまり体位変換が不十分となり,その結果バリウムののりが悪い写真を撮りがちになる.しかし,少なくとも二重造影時には前庭部から胃体部が十二指腸・空腸と重ならず,かつバリウムの付着の良い状態で撮影することは努力と工夫次第で可能と思われる.本稿ではわれわれの行っているルーチン検査において,十二指腸へのバリウムの流出を極力少なく造影する方法を中心に解説したい.
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