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初心者講座 胃X線検査のポイント―私の検査法
3.バリウムの種類と飲ませ方
Radiological Examination of the Stomach: My Routine Practice
渕上 忠彦
1
Tadahiko Fuchigami
1
1松山赤十字病院消化器科
pp.368-369
発行日 1990年3月25日
Published Date 1990/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110426
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1.ルーチン胃X線検査法の考え方
ルーチン胃X線検査の目的は一定の撮影枚数で病変を効率よく拾い上げることにあると思われる.そのためには広範囲が描出できる二重造影法を主体とすべきである.しかし,ただ二重造影像を撮ればよいというものではなく,胃小区像,微細模様が十分に描出された診断価値の高い写真を撮る必要がある1).微小胃癌,噴門部陥凹型早期胃癌のX線検査による診断能は内視鏡検査のそれに劣るとの論文が多いが,胃小区像が十分に描出された二重造影像は内視鏡検査の色素散布像に匹敵し,微小胃癌の拾い上げ診断も高率に可能である2).また,噴門部の陥凹型早期胃癌のX線診断の決め手はバリウムをいかにしてよく付着させるかにある3).診断価値の高い写真を撮るためには,撮影技術が習熟できているとすれば,より解像力の高い撮影装置の開発が挙げられるが,現在の機械メーカーの態度ではそれは期待できない.CR(computed radiography)が開発されているが,その評価には分かれるところがあり,まだルーチン検査に使用できる段階ではない.新しい造影剤の開発も期待できない今,残された道は現存する造影剤をいかに上手に使用するかである.
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