技術解説
Colonofiberscopeを中心とする大腸粘膜の撮り方
田島 強
1
,
戸田 聖一
1
1弘前大学医学部松永内科
pp.1429-1435
発行日 1970年10月25日
Published Date 1970/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111287
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下部消化管疾患の診断における内視鏡検査の重要性については,改めてここで論ずる必要はないと思う.しかし,最近著しく進歩した上部消化管の内視鏡検査に比して,残念ながら,下部消化管のそれは非常に遅れている.これは,下部消化管では解剖学的制約が非常に大きく,かつ本邦では下部消化管疾患が少ないことが原因しているためであろう.しかし,下部消化管の解剖学的制約は最近の科学技術の進歩によりほとんど解決されており,また一方では,食生活の変化とともに,本邦でも近年,下部消化管疾患の頻度が上昇してきている.したがって,消化器疾患に関心を持つ人は,今後大いに大腸内視鏡検査を活用してほしい.
大腸の内視鏡としては,従来はStrauss以来の直腸S状結腸直達鏡がもっぱら用いられてきている.この直達鏡は金属の単なる筒にすぎないが,その大腸疾患診断に寄与する点は非常に大きい.また,この直達鏡を自由自在に使いこなすことが後述するSigmoidocamera,Colonofiberscope操作の基本となる.直達鏡の経験なくて,直接Colonofiberscopeを習熟することは困難であり,かつ危険でさえある.逆に直達鏡に習熟している人であれば,最近のColonofiberscopeは短期間で容易に使いこなせ得る.
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