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1.まえがき
巨大皺襞を形成する胃粘膜疾患に対してはMénétrier's disease,Massive hypertrophic gastritis,Giant hypertrophic gastritis,Giant hypertrophy of gastric mucosa,Giant rugal hypertrophy,Polypoid swelling of the gastric mucous membrane,Adeiopapillomatosis gastrica,Gastritis hypertrophica gigantia,Hypertrophic bulbous gastritis,Tumor simulating gastritisなどと呼ばれ混乱をきたしている傾向にある.
また原因不明の低蛋白血症をきたす疾患群の中に胃腸管の疾患がその主役を演じているもののあることがら明かになり,蛋白喪失性胃腸症1)20)28)33)(Protein-losing enteropathy)とよばれている.原発性と続発性とに分類され前者の代表的なものとしてMénétrier氏病があげられる.低蛋白血症についてはRISA,131I-labelled PVP,51Cr-labelled Albumin4)30)などを用いた研究の結果,胃内への高度のAlbumin消失がその原因とされているが,これと形態学的病変については未知な点が多い.
症例は臨床的に広範に胃粘膜を侵した癌腫と診断され開腹によりMénétrier氏病であり胃亜全摘術により下肢の浮腫を消失させ,低蛋白血症の著しい改善をみたものである.
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