今月の主題 胃の食物輸送機能
綜説
胃の食物輸送機能について
市川 平三郎
1
,
山田 達哉
1
,
堀越 寛
1
,
笹川 道三
1
,
栗原 稔
1
,
松江 寛人
1
,
村上 勲
1
,
庭瀬 康二
1
,
赤坂 裕三
1
,
相原 雅夫
1
,
川口 和夫
1
,
村上 健二
1
,
池田 茂人
1
,
遠山 富也
2
,
田中 仁
2
,
秋庭 弘道
2
1国立がんセンター放射線診断部
2千葉大学医学部放射線医学教室
pp.417-428
発行日 1968年4月25日
Published Date 1968/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110714
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Ⅰ.まえおき
摂取された食物が,胃の中でどのように輸送され,攪拌され,排出されてゆくか,という問題は日常の極めて常識的なことであるにかかわらず意外に真相がわかっていないもののようである.
一方,近年輸入された筋電図が次第に実験の分野で数多くの興味ある成績を挙げつつあるに伴い食物輸送機能の再検討の機運が醸成され,また,胃切除術の普及に伴い,残胃の機能が注目されるにおよび,生理的な胃の食物輸送機能がどのようであるかがふたたび検討される傾向にある.
そこで,われわれはX線学的にこの問題を再検討すると共に,病的状態,癌とか潰瘍のある場合などにはどのような影響をおよぼすものであるかを観察する機会があったので,ここにその概要を報告し,大方の御批判を得たいと思うのである.
話の順序として,文献的に従来からどのような観察がなされていたかの概要を述べ,次いで,われわれの行なった観察結果を述べることにする.
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