今月の主題 早期胃癌研究の焦点
症例
胃生検より見た早期胃癌の経験例
倉俣 英夫
1
,
幡谷 健
1
,
宇南山 史郎
1
,
坪井 晟
2
,
風戸 計民
2
,
横山 博
2
,
衛藤 繁男
2
,
松岡 規男
3
1神奈川県立成人病センター内視鏡
2神奈川県立成人病センター放射線
3神奈川県立成人病センター病理
pp.55-67
発行日 1968年1月25日
Published Date 1968/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110598
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Ⅰ.緒言
直視下に胃病変部の組織を採取すべく,町田製作所が1964年に製作した生検用ファイバースコープ(F.G.S.-B型)は短時日の中に普及し,胃生検の成績は急速に上昇した.ことに今までレントゲン写真,胃内視鏡,あるいは胃細胞診検査を組み合せても,なお決定的な診断を下せなかったような早期胃癌の場合では正確な胃生検によってのみ,手術前,その多くに臨床組織学的に確定診断を下すことができるようになった.さらに昭和41年3月,第8回内視鏡学会シンポジウムにおいて胃生検法が論議せられ5),同時に詳しく器具の長所,改良すべき点が論ぜられ胃疾患,ことに早期胃癌の診断に本検査が必要不可欠なことが立証せられた,
私共は昭和41年初より9月末まで,6カ月間に町田製F.G.S.-B型を使用し胃生検55例中,早期胃癌7例を経験した.ここにその中の代表例を示し,その方法,成績を述べることとする.
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