胃と腸カンファレンス
この症例をどう考えるか
小林 絢三
1
,
鎌田 悌輔
1
,
曽和 融生
2
Kenzo Kobayashi
1
1大阪市立大学医学部第3内科
2大阪市立大学医学部第1外科
pp.805-808
発行日 1986年7月25日
Published Date 1986/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110365
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症例の概要 患者は31歳女性.主訴は心窩部痛.1年4か月前(1984年4月)に心窩部痛と嘔吐を来し,近医で胃潰瘍と診断され投薬治療を受け,自覚症状が軽快したのでそのまま放置していた.2か月前(1985年6月)に再び心窩部痛が生じ,近医で胃潰瘍として抗潰瘍剤による治療を受けたが軽快しなかった.9月18日の胃X線検査および10月9日の胃内視鏡検査で全周性のscirrhus typeの癌またはmalignant lymphomaが強く疑われ(生検では悪性所見なし),10月15日に胃亜全摘術(Billroth Ⅰ)を施行された.術後切除標本の肉眼所見では早期胃癌あるいはmalignant lymphomaが疑われた.組織診断ではreactive lymphoreticular hyperplasiaであった.
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