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海外文献紹介「無症状肝細胞癌の発育速度とその臨床的含意」
種広 健治
1
1愛知県がんセンター第1内科
pp.219
発行日 1986年2月25日
Published Date 1986/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110124
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Growth rate of asymptomatic hepatocellular carcinoma and its clinical implications:Sheu J-C, Sung J-L, et al(Gastroenterology 89:259-266, 1985)
肝細胞癌の発育速度は,その自然経過を明らかにし,治療効果や予後を評価するのに重要である.著者らが2年間にスクリーニング検査で発見した無症状肝細胞癌100例のうち少なくとも1か月以上の間隔で2回以上超音波検査が行われ,腫瘍が明瞭に描出され,腫瘍は類円形,抗癌治療は未施行の4条件を満足した28例(平均年齢56歳),31腫瘍について,発育速度を超音波検査により36~860日,平均238日間追跡した.31腫瘍は,初め径1.1~4.1cm(平均2.3cm)で最終的に径1.2~8.7cm(平均3.9cm)となった.なお腫瘍11個は切除,10個は針生検,3個は細胞診,7個はAFP値,血管造影,CT検査により肝細胞癌と診断された.3回以上大きさを測定しえた17腫瘍のうち,追跡中縮小を認めた2腫瘍を除く15腫瘍の対数発育曲線は,ほぼ直線になった.
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