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海外文献紹介「十二指腸潰瘍の維持療法におけるラニチジンとシメチジンの比較試験―アメリ力合衆国多施設試験の最終報告」
種広 健治
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1愛知県がんセンター第1内科
pp.1172
発行日 1986年11月25日
Published Date 1986/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110111
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Final report on the United States multicenter trial comparing ranitidine to cimetidine as maintenance therapy following healing of duodenal ulcer: Stephen E Silvis, and 53 Other investigators (J Clin Gastroenterol 7: 482-487, 1985)
十二指腸潰瘍の維持療法として,H2受容体拮抗剤の効果が報告されているが,その再発率にはかなりのバラツキがある.その原因として,再発チェックのための内視鏡検査回数が少ないこと,データ分析法が異なることが挙げられよう.
著者らは,ラニチジンとシメチジンの効果を比較するために,14施設において,内視鏡的に治癒が確認された十二指腸潰瘍患者60名にラニチジン150mg(hs)を,66名にシメチジン400mg(hs)を投与して,治療開始後4か月ごとおよび急性潰瘍症状出現時に内視鏡検査を行い,12か月間,潰瘍再発の有無を調査した.投与は無作為で,2群の背景要因に有意差は認められなかった.また,経過中生じた潰瘍痛にはMaaloxが使用され,その投与量は2群間および再発,非再発群間に有意差はなかった.
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