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書評「今日の診断指針」
柴田 進
1
1川崎医科大学
pp.1086
発行日 1985年10月25日
Published Date 1985/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109730
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亀山,亀田,高久および阿部の4教授の総編集によりわが国における臨床各領域の代表的な専門家643氏が協力して,診断さるべき病気のほとんどすべてを網羅した,まことに便利な書物が出版された.それがここに紹介する「今日の診断指針」である.そのスタイルは,既に世に送り出されてから27年にわたって毎年版を新たにし,実地医家にとって必需図書の1つとなっている「今日の治療指針」に似ており,その姉妹書をなすものであろうが,約1,450頁を越える記載頁に約70頁の親切な索引をつけてあるから,これは診断の百科辞典と言ってよい.
本書は症候編と疾患編に全体を大別し,(1)症候編では全身的にみられる症候や脳神経・精神系の症候と並べて身体諸部位(顔,頸,四肢,胸,腹)に関連した諸症候に加うるに産科・婦人科系の症候まで記載してあり,(2)疾患編では言うまでもなく諸臓器疾患のほかに,感染,アレルギー,膠原病などの全身性の病気を説明するだけでなく,皮膚,眼,耳,産婦人科的および新生児・小児の疾患に及び,殊に外来の小外科的疾患まで解説してある.その内容は最新の実用的検査法も豊富に取り入れ,解説が簡明かつ親切な点では上に述べたように診断の百科辞典である.
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