Coffee Break
膵癌早期発見のきっかけ (3)
高木 国夫
1
1癌研病院外科
pp.379
発行日 1983年4月25日
Published Date 1983/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403109360
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早期膵癌の発見のきっかけがアミラーゼ高値であったものが1978年から1981年までの4年間に6例になりました.6例中3例はアミラーゼ値が正常範囲より軽度上昇してたものです.アミラーゼ値についてよく質問されます.アミラーゼ高値とは,正常値からどのくらい高かったものですか?高値が持続的ですか?間歇的ですか?とアミラーゼ値の消長について,何か特徴的なものはないか,あれば良いという考え方に立っているものと思います.私はそういう質問には,とにかく正常値から一度でも上がったものは全部ERCPを行うべきであると極端なことを言っています.なぜかと言いますと,世界で血眼になって早期膵癌を探していて見付からないものを,尋常な方法で見付かるわけがないでしょう.全く極端なことだと思われるようなことを私どもは4年間やって見付け出してきたわけであって,やはり胃癌の早期発見と同様に,ERCPの検査をできるかぎり幅広く,多く行うことに通じています.
このような考え方の上に立って,先ほどのアミラーゼ高値に関して,高値例に全部ERCPをという答になったわけです.ERCPを行っている先生は“アミラーゼ高値例全部にERCPはとても無理だ”とよく言われます.ERCPを全部にできないなら,中途半端なら,やらないほうが良いし,膵癌の早期発見はあきらめるべきでしょう.全部になんとかERCPをやろうと努力して,初めて目的の早期膵癌を手中にすることができるものです.
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