今月の症例
Ⅱc型早期食道癌(mm)の1例
西沢 護
1
,
細井 董三
1
,
石岡 知憲
1
,
大倉 康男
2
Mamoru Nishizawa
1
1東京都がん検診センター
2筑波大学基礎医学系病理
pp.1304-1306
発行日 1988年12月25日
Published Date 1988/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108879
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
〔患者〕A. M,63歳,男性.Ⅱc型早期食道癌,深達度mm,リンパ節転移(-).主訴:なし.胃集団検診のため間接X線を受け要精検となり,当センターで精密検査のためpanendoscopyを施行し発見された.
〔精密X線検査〕Fig. 1aは半立位第1斜位二重造影像で,中等度空気量の二重造影像である.矢印の部分に明らかな伸展不良が両側性にみられることから,病変が全周性であることがわかる.病変の境界は明瞭であり辺縁像の異常もあるが,軽度の粘膜粗糙しかみられないことからmm癌程度と推定される.Fig. 1bは半立位第1斜位二重造影像で,Fig. 1aと同じ体位の二重造影像であるが,空気量を少なめにすると,収縮時の像で周囲の健常部分に比べ病変部は収縮がやや悪い.口側および肛門側からのひだの中断像からも病変の範囲がよくわかる.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.