胃と腸ノート
急性閉寒性胆管炎に対する内視鏡的緊急胆管減圧法―力ニュレーションによる方法
池田 靖洋
1
,
田中 雅夫
1
,
吉本 英夫
1
1九州大学医学部第1外科
pp.1370
発行日 1981年12月25日
Published Date 1981/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403108317
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急性胆管炎の最も重症型である急性閉塞性化膿性胆管炎(AOSC)は,保存的治療では100%死亡することから緊急胆道ドレナージの重要性がこれまでも繰り返し強調されてきた.AOSCのドレナージ法としては,従来,総胆管切開・外瘻術が最良とされていたが,近年では,より侵襲の少ない方法として経皮的胆管ドレナージ(PTCD),更には超音波映像下胆管穿刺ドレナージが行われるようになった,しかしPTCDには,造影(PTC)により胆管内圧を上昇させるおそれがあり,PTCを要しない超音波映像下穿刺にも,PTCD同様に肝内胆管の非拡張例には行い難いという難点がある.
筆者らの試みている内視鏡的胆管減圧法は,咽頭局部粘膜麻酔下に左側臥位にてファイバースコープを挿人し,造影(ERC)を行うことなく,単にカニューレ(7French径)や乳頭切開用cutting Probeを用いて嵌頓結石を突き上げるのみの方法であるが,その効果は,膿性胆汁の噴出(Fig. 1)と同時に疼痛の消失をみたことや,解熱1)の状態が示すように極めて劇的であった.
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