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The early detection of colorectal cancer: S.F. Miller, A.R. Knight (Cancer 40: 945~949, 1977)
アメリカ癌協会の統計によれば,1975年に発見された結腸・直腸癌は99,000例であり,同じ年に死亡した者,49,000例を数えた.1950年以来,結腸直腸癌の5生率の向上を認めていない.1950年から1959年までの期間では,男で42%,女で46%だったが,1965年から1969年までの期間では,男43%,女46%と殆んど変っていない.この間,癌の外科療法,化学療法,放射線療法は大いに進歩している.結局はその発見を早めなければ5生率改善につながらない.
アメリカの空軍病院の全患者で,直腸指診とHemoccult法による便潜血反応が行われた.直腸診で直腸に腫瘤の発見された人は,S状結腸鏡が行われ,その結果次第で注腸透視が行われた.便潜血反応は3日間検査の上1枚でも陽性ならば,もう一度潜血食で3日間の検査が行われた.次いで2枚以上陽性だった全患者でS状結腸鏡検査と注腸透視が施行された.2,332人の患者中28人(1.2%)において,直腸診で腫瘤を見つけ,11人(0.5%)では,潜血反応の再検で2枚以上に陽性結果を得た.この中で,3例の比較的早い癌を発見した.2例は直腸診で発見し,それぞれDuke's AとDuke's Bの癌であった.他の1例はDuke's BのS状結腸癌で,注腸透視で発見された.S状結腸鏡険査で7例の腺腫も発見された.この研究での便潜血反応の偽陽性は3.5%で,病変の発見率は全体の0.4%であった.
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