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今月の主題 クローン病(3)―疑診例を中心に
序説
クローン病疑診例特集の企画に当って―不明瞭な領域について考える
Probable Crohn's Disease
中村 恭一
1,2
K. Nakamura
1,2
1筑波大学基礎医学系病理
2癌研究所病理部
pp.1629-1631
発行日 1978年12月25日
Published Date 1978/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107563
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本誌13巻3,4号ではクローン病が主題となっていて,そこでは日本における典型的なクローン病についての秀れた論文が掲載されています.さらには,欧米のクローン病の現況の紹介と日本のクローン病との相違について若干述べられています.典型的なクローン病の全貌は,上記本誌特集および成書によって十分知ることができますが,それを実際面で適用させる段階になると,数ある炎症性腸疾患inflammatory bowel diseaseの中から典型的クローン病は容易に診断しえても,クローン病とするための必要かつ十分条件を満たしていない症例に遭遇し,その診断をするのに躊躇する場合があります.つまり,クローン病には,周知のごとく,クローン病と診断するための絶対的な所見がないからです.多くの所見の組み合わせをもって,クローン病典型例,疑診例などと便宜的に類別を行っています.
本号では,クローン病典型例の特集に続いて,クローン病疑診例の特集が企画されました.その目的とするところは,クローン病疑診例の実際をより多く経験することによって日本人のクローン病のスペクトラムを知ること,さらにはクローン病に関する不明な部分を解明するための糸口でも把握できればということにあります.
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