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編集後記
五ノ井 哲朗
pp.1198
発行日 1969年9月25日
Published Date 1969/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111066
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消化管の中に首をつっこんだような,精細な診断の話,疾病の話が展開されてきたく胃と腸〉各号の中で,本号は,その首をあげてまわりを見まわしたような趣のものである.
テーマは〈胃癌の5年生存率〉で,2つの綜説と1つの座談会が,まことに豊富な論点を提供している.読者もそれぞれの立場,視点から,多多の感懐があるはずである.この中で,胃癌の「多くの症例は外科医の手にゆだねられ,手術が終了した時点において予後が決定づけられているといっても過言ではない」と述べられているが,「多くの胃癌患者の予後は,その癌が診断された時点において決定づけられている」と言い変えることもできるだろう.ある意味では,この問題を語りたいがために,早期胃癌の臨床的追求のすべてがあったのだということもできる.
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