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今月の主題 腸結核(3)―疑診例を中心に
総合評
腸結核疑診の症例をみて
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西沢 護
1
,
石川 誠
2
,
武藤 徹一郎
3
,
渡辺 英伸
4
M. Nishizawa
1
1東京都がん検診センター
2山形大学第2内科
3東京大学医学部第1外科
4九州大学医学部病理学教室第2講座
pp.1257-1265
発行日 1978年9月25日
Published Date 1978/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403107514
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腸結核疑診例の診断について
腸結核の確診は,①腸組織または腸間膜リンパ節からの結核菌の証明,②腸組織または腸間膜リンパ節からの乾酪性肉芽腫の証明しかないが,1977年12巻11,12号の『胃と腸』腸結核確診例の特集号を通覧してみても,確診された腸結核例の肉眼形態はかなりバラエティーに富んでいる.
そのなかでも帯状潰瘍または輪状潰瘍,瘢痕萎縮帯の2つの所見が大きく浮び上がってきた.その瘢痕萎縮帯といわれるものには,炎症性ポリープ,多発する繊細な集中像,異常小区像,小区像の消失したのっぺりした萎縮粘膜などが混在し,潰瘍と合併して多彩な肉眼形態を形成している.これらの所見が,X線上では輪状の狭窄像,タッシェなどを伴う特異な変形,また帯状潰瘍像や多彩な瘢痕像としてあらわされる.
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