Japanese
English
今月の主題 胃のGiant Rugae
序説
胃のGiant Rugae
Gastric Giant Rugae
白壁 彦夫
1
H. Shirakabe
1
1順天堂大学内科消化器
pp.469
発行日 1980年5月25日
Published Date 1980/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106822
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- Abstract 文献概要
Ménétrier以後,見た目と中身が違うというので揉め事が続いてきた.Ménétrierの論調を強いられてきた.われわれは感染してきたようだ.ありえぬ期待が長すぎたようにも思える.こんなイメージがぬぐえない.giant gastritisの呼び方で解放され,それで落ちつくかと思ったが,そうでもない.Ménétrierばなれが起こったには起こったが,gastritisの名前を使ってみてもスッキリしない.一方,Ménétrierの呼称のブームも,時にはおこる.臨床診断の側の取扱いもややこしくなるのでgiantrugaeというところで,一先ず,見方をきめ考えてみようという立場である.身近にあるようでもあり,遠くのもののようでもある実態を扱うのである.そこには巨大からミクロにわたる領域がある.ここに視野を変えた放恣な夢想を求めたいのだが,さてどうなるだろうか.綜説になるのか,正体を見させることになるのか,である.諸兄を歴史の流れの中に導入することができるか,これが特集の理由でもある.
胃の隆起を,有茎,亜有茎,広基,平盤というとらえ方も,随分,古典的な手法である.現在,なお使われているにしても.原因のわかるもの,原因のわからぬもの,を対立させる手も使われてきた.慢性胃炎と胃癌を両極におき,その中間的存在としてみる,というのも古い.こんな経過をたどった挙げ句がgiant rugaeになったともいえる.
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