今月の症例
食道の“いわゆる癌肉腫”の1例
山口 肇
1
,
縄野 繁
2
,
板橋 正幸
3
Hajime Yamaguchi
1
1国立がんセンター内科
2国立がんセンター放射線診断部
3国立がんセンター研究所病理
pp.1330-1332
発行日 1989年12月25日
Published Date 1989/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106630
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〔患者〕64歳男性,主訴:つかえ感.既往歴:高血圧で内服治療中.家族歴:特記すべきものなし.現病歴:1か月前より食事の際に食道につかえ感が出現.近医でのX線検査で異常を指摘され当院を受診.血液,尿検査成績:特に異常なし.
〔X線所見〕第1斜位像(Fig. 1)で食道ImからEiにかけて山田Ⅳ型の隆起性病変が認められる.表面は大小不同の分葉状を呈するが陥凹は認められない.第2斜位像(Fig. 2)では隆起性病変の付着部にわずかな変形を認める(矢印)ことより深達度smと診断される.またやや空気量の少ない写真(Fig. 3)では上下約10cmにわたりひだの消失が認められ(矢印),病巣が上皮内伸展を伴っていることが疑われる.
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