今月の症例
小腸平滑筋腫の1例
多田 正大
1
,
清水 誠治
1
,
稲富 五十雄
1
,
伊志嶺 玄公
2
,
赤見 敏和
2
Masahiro Tada
1
1京都第一赤十字病院第2内科
2京都第一赤十字病院外科
pp.606-608
発行日 1989年6月25日
Published Date 1989/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106469
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〔患者〕60歳,女性.主訴は黒色便.現病歴:1年3か月前より時々黒色便を認めていた.近医にて上部消化管および大腸のX線・内視鏡検査を受けたが原因不明であった.最近,再び黒色便を認めるようになり,貧血が高度になったため当科を受診した.
〔小腸X線所見〕十二指腸空腸曲から約1.5m肛門側の中部空腸に片側性の陰影欠損像を認めた(Fig. 1).同部位を強く圧迫することによって,大きさ約5×2cmの表面平滑な隆起性病変が指摘された(Fig. 2).弱く圧迫することによって腫瘤の表面に淡いバリウム斑を認め,表面に浅い陥凹が存在することがうかがえた(Fig. 3).
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