Japanese
English
今月の主題 胃・十二指腸出血の非手術的治療
序説
上部消化管出血の非手術的止血法
Introduction
大柴 三郎
1
Saburo Oshiba
1
1大阪医科大学第2内科
pp.365-366
発行日 1989年4月25日
Published Date 1989/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106425
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- Abstract 文献概要
上部消化管出血の病因は多種多様である.そのうち消化性潰瘍(急性潰瘍を含む)は60%を占めている.このほか,AGML,Mallory-Weiss症候群,食道・胃静脈瘤,各種腫瘍病変その他,多くの疾病が挙げられる.一方,重篤な血液疾患や高度の腎不全による透析患者など,どこからともなくじわじわとみられる出血もある.
かつて上部消化管の大出血は,患者はもちろん医師にとっても,この突発的でドラマチックな症候に戸惑いを感じ,補液・輸血を行い,循環血液動態の正常化を図り,出血の状態および既往歴,現症から出血源を推定し,総合的判断に立ち,冷水による胃洗浄,全身的止血法により経過を慎重に観察し,止血しえたか,また持続出血中であるか,更には再出血があるのか,各種のparameterを推理し,対処し,止血の得られない場合は外科的処置を行ってきた.
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