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書評「骨盤臓器のMRI診断」
板井 悠二
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1筑波大学・臨床医学系放射線科
pp.1242
発行日 1993年10月25日
Published Date 1993/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106298
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MRI(磁気共鳴画像)が臨床に登場して10年近くの歳月がたつ.本法は神経系をはじめとし全身の大部分の臓器で有用性が高く,Mr Imagingの名に恥じない.本書の扱っている骨盤諸臓器も有望なものが多く,既に婦人科疾患のみを扱った単行本も出版されている.近年surface coi1(endorectalを含む),Gd造影剤,高速撮像の導入と臨床経験の蓄積により更にその価値を増している.
本書はMRの技術的側面,骨盤解剖の総論に始まり,子宮,卵巣,前立腺,膀胱・女性尿道,男性外性器,直腸の各論へ進み,血流イメージングでしめくくられている.MR技術の解説は簡潔でレベルも高く,内容も豊富であり,解剖もわかりやすい.各論では各章ごとに,その臓器のMRIの意義のshort summaryに始まり,検査手技をはさんでMR診断に必要な解剖(一部生理的事項を含む),正常MR像が再度より細かく記載される.その後,疾患のMR像が示され,読影のポイント,画像診断におけるMRの役割を示すほぼオーソドックスな構成をとる.
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