今月の症例
2.孤在性腸結核の1例
中野 浩
1
,
上村 守生
2
Horoshi Nakano
1
1藤田保健衡生大学消化器内科
2豊田地域医療センター内科
pp.739-741
発行日 1993年7月25日
Published Date 1993/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106206
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〔患者〕50歳,女性.入院1年前より軟便が続いていた.1991年7月6日注腸X線検査を受け,異常所見を指摘され,7月23日入院した.40歳ごろより軽度の貧血を指摘されていたが,既往歴に特記すべきことはない.体温36.3℃,腹部触診上,異常所見を認めなかった.検査成績では赤血球390×104/ml,血色素量9.9g/dlと軽度の貧血を認め,血沈は1時間値50mmと亢進していた.CRPは4.4mg/dl(0.7mg/dl>)と高値を示した.総蛋白6.7g/dl,アルブミン3.6g/dl,GOT9mU/ml,GPT6mU/ml,コリンエステラーゼ2,700mU/ml,総コレステロール225mg/dlであった.便培養では結核菌陰性であった.ツベルクリン反応は13×13/23×23mm(硬結あり)で陽性.胸部X線像上,異常所見を認めなかった.
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