今月の症例
2.回腸末端部悪性リンパ腫の1例
末兼 浩史
1
,
飯田 三雄
1
,
中村 昌太郎
2
,
壬生 隆一
3
,
増田 信生
4
Hiroshi Suekane
1
1九州大学第2内科
2九州大学第2病理
3九州大学第1外科
4香椎胃腸科
pp.379-381
発行日 1993年4月25日
Published Date 1993/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403106134
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〔患者〕49歳,男性.主訴:右下腹部痛.現病歴:1991年7月ごろから右下腹部の自発痛,圧痛出現.近医の消化管検査にて終末回腸部に病変を指摘され,当科紹介入院.入院時現症では表在リンパ節は触知せず,血液検査上貧血を認めるが末梢血液像は正常であった.〔X線所見〕(ゾンデ法小腸造影および注腸造影)下部回腸,回盲弁より3cmの部位から口側に約10cmの範囲にわたって,全周性に管腔の狭小化を認めるが,その程度は軽く,口側腸管の拡張は認めない.病変部は隆起と潰瘍の混在から成り立っており,口側と肛門側の病変部境界は比較的明瞭であるが,明らかな周堤形成は認めない(Fig. 1a~c).なお,盲腸の多発憩室以外,大腸には異常を認めなかった.
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