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書評「遺伝子と日常の病気」
水島 昇
1
1東京医科歯科大学第1内科
pp.340
発行日 1994年3月25日
Published Date 1994/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105756
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本書は染色体分染法などの古典的な遺伝学から,まさに最新の分子遺伝学にいたるまでの広い範囲をカバーしたものである.
分子レベルの話となると,私たちはしばしば視野が狭くなり,1つの遺伝子は1つの染色体の一部であること,そして相同染色体には対立遺伝子がもう1つあることを忘れてしまいがちである.しかし,本書では,染色体レベルの視点と,よりミクロな視点が巧みに織りまぜられているため,鳥瞰的な視野を持って遺伝学に接することができる.遺伝子クローニングやPCR法などの新しいテクニックについても一通りの説明がされており,図も多く用いられているため,直接実験に携わったことのない者にとっても十分内容を追えるであろう.
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