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書評「医師・看護婦・歯科医師・薬剤師・医療技術者のための―アメリカ医学留学の手引 第5版」
中村 三郎
1,2
1日本大学
2日本大学練馬光が丘病院
pp.112
発行日 1994年1月25日
Published Date 1994/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105671
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医師の留学先としてはアメリカが圧倒的に多く,カナダ,イギリス,ドイツ,フランスなども多少ある.その理由としては,アメリカが学問的に進んでいる分野が多いのに加えて,アメリカでレジデント研修を受けようとする外国人医師を対象に医学と英語の試験を行い,合格者にはアメリカでの臨床研修を許可している国際性が挙げられる.アメリカ医学留学を志す人のために,試験の受け方,留学先の捜し方,ビザの取り方,アメリカでの免許の取り方などを詳しく説明した手引きが本書である.
アメリカでレジデント研修をするための留学試験は,私が留学したころはECFMG医学試験であったが,その後VQEになり,次いでFMGEMSになり,1993年からUSMLEになった.本書は留学試験の変遷と共に改訂を繰り返し,第5版ではUSMLEに関しても詳しく解説してある.この新しい留学試験はUnited States Medical Licensing Examinationという名前が示すとおり,アメリカの医学生が受ける試験と同じであり,アメリカ人と外国人を学問的には差別しないという原則に基づいている.この試験は東京でも受けられるので,将来アメリカでレジデント研修をしようと思っている医師や医学生は,自分の実力を試す意味でも一度は受験したほうがよい.
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