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書評「がん診療レジデントマニュアル」
川越 正平
pp.1716
発行日 1997年12月25日
Published Date 1997/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105265
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高齢社会が訪れ,これまで以上に慢性疾患,特に日本人の死亡原因の第1位である癌診療の重要性が増していることは間違いない.
ここで,日本の卒前医学教育をかんがみると,基礎医学や診断学の教育に重きが置かれている.一方,治療の詳細や高度な判断については,臨床の現場で修得することが期待されており,癌診療の実際についても,卒前に教育される機会は少ない.にもかかわらず,日本には標準化された卒後研修が存在しないこともまた事実である.その結果,oncologyを体系的に学んだ医師はごく少数であり,内視鏡を担当して診断に関わった内科医や手術を執刀した外科医が,片手間に癌に対する化学療法を行っている現状も見受けられる.
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