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書評「臨床薬理学」
高久 史麿
1
1自治医科大学
pp.884
発行日 1997年5月25日
Published Date 1997/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105157
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今回,日本臨床薬理学会の編集により,「臨床薬理学」が刊行された.本書は臨床薬理学会が初めて学会編集として出版した本格的な臨床薬理学のハンドブックである.
周知のごとく,ソリブジンと5FUとの併用による死亡事件に引き続いて,いわゆる薬害エイズ事件が大きな社会的な問題となり,医薬品の適正な使用法の徹底と医薬品に関する情報の伝達機構の整備の重要性が強く叫ばれるようになっている.このような世論に対応すべく,厚生省では医薬品安全性確保対策検討委員会(森亘委員長)を設置し,2年以上にわたってこの問題についての検討を行ってきた.この委員会の最終報告書は近いうちに公開されることになっているが,その中で強調されていることの1つが,医学の卒前・卒後教育における臨床薬理学教育の重要性である.また,最近,医薬品開発の国際化に対応した新しいGCPの基準が作られようとしている.
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