特集 炎症性腸疾患1997
主題
Ⅰ.診断
1.潰瘍性大腸炎
(1)診断基準と診断の進め方
樋渡 信夫
1
,
渡邊 浩光
1
,
前川 浩樹
1
,
桂島 良子
1
,
豊田 隆謙
1
1東北大学医学部第3内科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
S状結腸内視鏡検査
,
注腸X線検査
,
大腸生検
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
S状結腸内視鏡検査
,
注腸X線検査
,
大腸生検
pp.271-278
発行日 1997年2月26日
Published Date 1997/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105057
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要旨 潰瘍性大腸炎の診断は,慢性に持続・反復する粘血便の主訴から本症を疑うことから始まる.放射線照射歴,抗生剤服用歴,海外渡航歴などを聴取し,細菌学的・寄生虫学的検査を施行し類縁疾患を除外する.次に前処置なしでS状結腸内視鏡検査と生検を施行する.その特徴的所見により,積極診断と除外診断を行い確診に至る.内視鏡で口側の正常粘膜を観察できれば罹患範囲が決定する.重症例では治療を優先させ,深部の状態を知る必要があるときには,前処置なしで水溶性prednisoloneを混入した薄いバリウムを用いた充盈法により注腸X線検査を行う.前処置や検査による悪化を避けるよう,心がける.
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