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最近の医用超音波技術の進歩には目をみはるものがある.これらの技術の参考書としてバイブル的に用いられてきた「超音波医学」や「超音波診断」が,急速な最近の技術の進歩を反映して一新された.すなわち,従来は基礎分野を含め1冊であったものが,基礎分野といくつかの診療分野ごとに4分冊化された.
第1巻である本書は,第1章「超音波の物理的特性」(超音波法の特徴,超音波の音場,ドプラ効果,非線形現象),第2章「探触子の基礎知識」(超音波の発生・検出,探触子の構造),第3章「超音波診断装置」(エコー法,ドプラ法,分解能),第4章「信号処理と映像の保管」(信号処理,映像の表示と記録,画像ファイリング),第5章「アーチファクトと画像の劣化」(超音波の物理特性によるアーチファクト,画像の劣化,コントラスト分解能の劣化),第6章「ハーモニックイメージングと造影剤」(ハーモニックイメージング,超音波造影剤としての気泡の役割),第7章「超音波組織特性」(基礎音響特性,エラスティックイメージング,超音波顕微鏡),第8章「超音波の診断・治療への応用」(超音波映像の診断・治療への応用,超音波エネルギーの治療への応用),第9章「安全性」(音響的安全性と標準化,装置の維持管理),第10章「健診・検診への適用」(施設検診および集団検診,ハイリスク群検診,今後の課題)から構成されており,それぞれ現在第一線で活躍されている研究者により執筆されている.当然のことながらすべての分野について,技術および基礎的事項に関する最新の技術についても加筆修正されているが,特筆すべきことは,機器の大幅な性能向上を可能にしたデジタル方式の機器の記述およびハーモニックイメージングを含む非線形効果とその利用法について記述が新たに追加されたことである.また付録には,時として紛らわしくなる専門用語の解説,診断基準などが網羅されている.
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