Japanese
English
今月の主題 知っておきたいまれな大腸良性疾患
主題症例
Cowden病
Cowden Disease
米野 和明
1
,
岩男 泰
2
Kazuaki Yoneno
1
1独立行政法人地域医療機能推進機構埼玉メディカルセンター消化器内科
2慶應義塾大学病院予防医療センター
キーワード:
Cowden病
,
消化管ポリポーシス
,
PTEN
Keyword:
Cowden病
,
消化管ポリポーシス
,
PTEN
pp.799-801
発行日 2017年5月25日
Published Date 2017/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403201081
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疾患の概念
Cowden病は,1963年にLloydら1)によって初めて報告された疾患であり,その後全身のmultiple hamartoma syndromeとしての概念が確立された.疾患名は罹患患者の姓名に由来する.10番染色体長腕に位置する癌抑制遺伝子PTEN(phosphatase and tensin homolog deleted on chromosome 10)の変異2)による常染色体優性遺伝疾患であるが,孤発例も少なくない3).罹患頻度については,20万人に1人と報告されている4).PTENは種々の上皮細胞に発現しているため,三胚葉由来の癌を含めた腫瘍性病変が多発する5).特に乳癌,甲状腺癌の発生頻度が高率にみられ,卵巣癌・子宮癌など婦人科腫瘍,腎細胞癌,膀胱癌,皮膚癌などが報告されている5).腫瘍性病変以外では血管奇形も認められる.診断基準はNCCN(National Comprehensive Cancer Network)のGenetics/High Risk Cancer Surveillance Panelで定義されており6),皮膚病変,多臓器に言及した腫瘍性病変などPathognomonic/Major/Minor criteriaの3カテゴリーに分類して,各カテゴリーの組み合わせにより判定される.
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